<スポンサード リンク>


Top >  レーシックについて >  エキシマレーザーについて

エキシマレーザーについて

現在、屈折異常の治療はエキシマレーザーを使用して行われています。

レーザーという言葉は、Light Amplification by Stimulated Emission of Radiation の略称で、位相がそろって振幅が大きく、波長が極めて短い、非常に強いエネルギーを持った光の束のことをいいます。

レーザーを説明する前にまず、光について知っておきましょう。

物質を細かく分解していくと、ついには分子や原子に到達します。原始の中心部には陽子と中性子からなる原子核があり、原子核のはるか遠方にはマイナスに帯電した電子が雲のようにある確率で分布しています。

分かりやすいイメージとして、電子が電子雲の軌道上で原子核を中心に存在していると考えてください。この軌道は中心に近いほうからK軌道、L軌道、M軌道と名前がつけられています。

電子は中心に近い軌道のほうが安定的に存在できるため、外部からエネルギーを受けてL起動やM軌道に遷移している状態から、K軌道に落ち込もうとします。このエネルギーの差が光として外部に放出されます。

電子などの素粒子は粒子と波としての性質を兼ね備えていますが、光も同様です。光を波と考えたとき、波の山と山の距離を波長といい、波の山と谷の差を振幅といいます。振幅は波の重ね合わせによって、増幅されたり打ち消されたりします。

光のエネルギーは振動数の二乗と振幅に比例します。振動数は波長の逆数ですから波長が短いほど大きなエネルギーを発生します。また位相が同じであれば干渉して振幅が増大し、エネルギーも増大します。自然界では位相のそろった光はなく、人工的に位相を同じにした光がレーザーです。

振動数は原始や電子を構成する物質によって決まっています。外部からレーザーを発生する物質に強力な電圧をかけて、その物質の電子軌道をK軌道、L軌道などの高エネルギー帯に遷移させ、一瞬に低い軌道に落とし込ませます。そのとき発生する光は振動数や位相が同じため、非常に強いエネルギーを持っています。

レーザーに用いられる物質は炭酸ガス、ルビー、アルゴン、キセノンなどさまざまで、ヘリウムネオンを用いた赤いレーザーは小型化されてレーザーポインターとして日常よく使われています。

レーシック(屈折矯正手術)で使用するエキシマレーザーはフッ化アルゴン(エキシマガス)に2万5千ボルトの高電圧をかけて発生させます。エキシマガスからでた光の振動数は非常に大きく、その逆数である波長は193ナノメーター(ナノは10のマイナス9乗)で、レーザーの中でも2番目に短い波長をもっています。通常の可視光は黄色の波長で580ミクロンです。

また、エキシマレーザーは波長が非常に短いため、熱や衝撃波をほとんど与えずに照射された物質を蒸発させることができます。角膜に対しては1発照射すると0.25ミクロン削ることができます。エキシマレーザーは照射しても物質の温度を上昇させないため別名「コールドレーザー」とも呼ばれています。

エキシマレーザーをレーシック(屈折矯正手術)に用いる場合は屈折度数によって照射数が異なります。マイナス10Dの近視に対する照射数は480発です。この照射によって角膜中央部は」[480×0.25=120]より120ミクロン削られることになります。

レーシック(レーザー屈折矯正手術)で用いられるレーザーには、エキシマレーザーのほかに波長213ナノメーターの水晶を用いた半導体レーザーがあります。その出力はエキシマレーザーより低く、同じ効果を得るための照射時間はエキシマレーザーよりも長くなります。

<スポンサード リンク>


 <  前の記事 レーシック体験談1  |  トップページ  |  次の記事 レーシック視力回復手術のはじまり  >